プラッツ近鉄からヨドバシカメラ京都へ
JR京都駅の駅前、京都タワーの隣にあったプラッツ近鉄。
近鉄百貨店京都店が閉店し、跡地にヨドバシカメラが進出すると聞いてから
ずいぶん経ちました。
先日、久しぶりにその地を訪れるとヨドバシカメラの建物が完成間近となっています。
よろしければ続きをどうぞ
ヨドバシカメラ京都が開業するその地。以前はプラッツ近鉄、前身は丸物百貨店が
ありました。
プラッツ近鉄が閉店後、跡地にはヨドバシカメラがやってくるという報道があって
建物は現状のままか、改築は未定といったことが伝えられていました。
できればそのままの建物でと思っていましたが、続報も途絶えてしまって
いつしか、その地に立ち寄らなくなってしまいました。
再び気になったのは、今年で開業30周年を迎える京都市営地下鉄。
京都駅前の地下街で写真展が開催されていました。
京都駅周辺の変遷を伝える写真パネル。
ここで、地下街で食事をとるためレストランへ。そこでお客さんとシェフの
お話からヨドバシカメラが秋に開業するとの内容が伝わってきました。
えっ!もう間近に迫っているのかと、おもっても見なかったことで、
早速その足で確かめに行きます。
確かに新しい建物ができています。
ただ、右や左に見える建物は、プラッツ近鉄時代からそのままあるもの。
妙な感覚です。
建物をぐるっと回っても妙な感覚はずっと引っかかったままです。
工事用フェンスに印象に残るイラストを見つけました。
大阪・天神橋駅の工事現場では建物を切り刻む重機としての印象が
強かったですが、このイラストを見て少しは心が和らぎます。
気を取り直して、今度はカメラ越しに建物を見ていきます。
プラッツ近鉄時代
プラッツ近鉄最終日の様子
現在
プラッツ近鉄時代
スズカケノキ・プラタナスの木はそのまま残っているようでホッとしました。
最終日の様子をもう少し。
プラッツ近鉄が閉店を発表後、しばらくして、近鉄百貨店の前身
丸物百貨店の歴史を伝える展示会が開催されてました。
増築される前の丸物百貨店の建物の模型です。
この建物模型をみて、気になって見上げたら窓の張り出し部に
飾り付けがありました。
百貨店を訪れたお客さんに配られていた絵葉書です。
話は変わって、プラッツ近鉄では春に古書即売会が開催されて、よく足を運びました。
そこで見つけた一枚の絵葉書。
右下に丸物百貨店が掲載されています。
プラッツ近鉄の中、階段にあった照明。
浜大津の旧大津公会堂でもこんな照明を見かけた気がします。
その当時の建物、このような照明が流行っていたのでしょうか。
最後に見た近鉄百貨店の銘板です。
ここまで見て、ブログ記事にと準備していたところで、いつもお世話になる
kayoさん「近代建築青空ミュージアム」で大切な記事を見つけました。
プラッツ近鉄跡地のいま~近代建築青空ミュージアム
大切なプラッツ近鉄時代の名残をもう少しで見落とすところでした。
というより、帰宅してから気づきましたので、改めて出直します。
工事が進捗していて、この機会を逃すと見ることがかなわなかったかも
しれません。本当に際どいタイミングでした。
場所は違っているかもしれませんが、プラッツ近鉄時代。
入り口にて大勢のお客さんを迎えていた敷石です。
私にとっては、プラッツ近鉄になってこの建物の最晩年しかお付き合いする
ことはかないませんでしたが、それでもいろいろと思い出が残っています。
これまではすでになくなってしまった建物に対して、残された写真で
想像力によって向かい合ってきました。プラッツ近鉄だけは前の建物も
しっかりと目で見て記憶に残っている。ついで新しくできる建物の歩みを
これから見ることができる、変化の途上を実体験できる貴重な機会と
考え方を改めるきっかけをなりそうです。
下記のブログへトラックバックを送っています。
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kayoさん
近代建築青空ミュージアム
プラッツ・名残の敷石
プラッツ近鉄の跡地のいま
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» 東塩小路写真帖(3)・すずかけの葉 [近代建築青空ミュージアム]
[[attached(1,center)]]
この建物については、不思議と、周りの木々のひとつひとつまで心に刻まれています
今日、覚えのない葉に出会いました
ここの地面はコンクリートで土は無いはず…
夏の大空に、精一杯葉を広げ、輝いていました
この葉は、烏丸通に植えられた街路樹の葉と同じ葉であることに気づきました
その名は、「すずかけ(プラタナス)」
この跡地に、新しく命を得たのでしょうか
まだこの地から発せられている命のメッセージが確かに存在..... [続きを読む]
» 東塩小路写真帖(6) すずかけの散る頃 [近代建築青空ミュージアム]
[[attached(1,center)]]
ある日、テレビから「はしだのりひことシューベルツ」の「風」という歌が流れてきました。
私は初めてこの曲を聴きました。
「プラタナス」ということばと穏やかで優しいメロディが印象的で、あとで歌詞を読んでみました。
http://blogs.yahoo.co.jp/kay31527/28920981.html
プラッツ近鉄前のプラタナスが散る風景が思い浮かび、涙があふれました。
その数日後、はしださんと音楽活動をされていた加..... [続きを読む]
たけひろさん、昨夜は涙とともに眠りました。
閉店当時は建物の価値に気づかず写真もほとんどありません。ブログやHPで懐かしく見てきましたがたけひろさんのお写真は特にすばらしくなによりお心がこもっていて感動しました。久しぶりにプラッツを訪れた気持ちで切ないです。もう、3年も訪れていないんだと思いました。
美しいバルコニー、ハイセンスな照明…この目でじっくり眺めたこともありませんでした。それでも優しくそばにいてくれたのだと思います。
地下鉄30周年の展覧会をきっかけに跡地へ行かれたのですね、私が近鉄桃山店をきっかけに解体現場を訪れた時のように、何か導いてくれる力があったと思いました。
新しい建物の外観は梅田のヨドバシカメラと同じです。これから幸せを生み出すだろう建物とはいえこの街から個性が失われることを懸念しています。かけがえのない建物が失われたことにあらためて痛恨の思いです。
建物への思いが募って、周りの木々にまで思いを馳せるようになり、それがプラタナス(すずかけ)の木と知りました。烏丸通を美しく飾る木です。この木を見るとプラッツのことを思い出します。変わらないようにみえて、ひとつ無くなったりしています。記事をTBさせていただきましたのでご覧いただければ幸いです。
本当にありがとうございました。
投稿: kayo | 2010/09/27 12:58
kayoさん。こんにちは。
はじめに、烏丸通を飾る木々の大切な名前を
間違えてしまっていてすいません。
さぞやがっかりさせてしまったのではないでしょうか。
そっと教えていただいてありがとうございます。
ひとつ無くなっているのには気がつきませんでした。
新しいヨドバシカメラの建物は、大阪梅田でも、
東京の秋葉原でも同じ形で、どこにあっても
ヨドバシカメラという目印にはなりますね・・・。
先日、京都タワーの中にある書店にて絵葉書の本を
みつけました。これも思いを新たにする光景がたくさん
つまっている本でした。
絵葉書がお便りを載せて人々の間を行きかっていた
時代と今とは違うのかもしれませんが、こうした絵葉書に
残される風景、、建物の姿。
最近の建物で絵葉書に似つかわしい建物はあるのかな
と思ったりします。
kayoさんのブログを拝見させていただくようになって
図書館に行っても近代建築という文字に目がとまるよう
になりました。借りてきた本には近代建築覚え書きという
対談集のようなものでした。
作品(建物)が多く紹介されていて、また多くのものが
失われているのに改めて驚きました。
設計に携わった建築家のお名前とともに建物が
作品と思うようになりました。
鉄道関係の事ばかりですが少しずつ見ていきたいと
おもいます。
プラッツ近鉄のことは、本当に教えていただいて
ありがとうございました。
投稿: たけひろ | 2010/09/27 15:15
たけひろさん、プラタナスの記事をご覧いただいてありがとうございます。木の名前は、何でも良いのです。木々にまで注目してくださっていることにとても感激しました。ただ、あの木は烏丸通独特で、建物とのコントラストもすばらしく、神秘的なものも感じます。またご覧になってみてくださいね。御堂筋のいちょうも好きです。
絵葉書の本ご覧になってうれしいです。特に2代目京都駅はためいきが出ました。本当に、絵葉書が行きかった時代はすばらしいですね。
近代建築に興味を持たれてとてもうれしいです。鉄道と建築はつながっていて当たり前のようにも思えますが、意外なところでつながっていることが不思議です。今日もおとぎ電車の記事を書いていて、昔おとぎ電車があったところに名建築(大峰発電所・ユネスコ村)があったことを不思議に思いました。
私も鉄道のことは本当に初心者でこれからもたけひろさんに教えていただくのが楽しみです。よろしくお願いします。
ありがとうございました。
投稿: kayo | 2010/09/28 02:18
kayoさん。こんばんわ。
いつもありがとうございます。
これだけの想いが共有できる建物・作品が次々に建築されていた時代がうらやましい限りです。
私にとっては近代建築は入り口にたどり着いたところです。これからもkayoさんの視点を参考にさせていただいて、建物と向き合っていきたいとおもっています。
こちらこそまたいろいろと教えていただければと思います。
よろしくお願いいたします。
投稿: たけひろ | 2010/09/28 21:58
こんばんは。
この前通った際にはまだ建物はなかったのですが、
いつの間にかヨドバシカメラの建物ができたのですね。
梅田や秋葉原も同じような丸みを帯びた形なんですね。
近鉄百貨店。
子供の頃、デパートと言えば京都の近鉄百貨店でしたので、
よく両親と出かけたのを覚えています。
おもちゃ売り場で駄々をこねて買ってもらった383系のおもちゃ、
これが最初に買ってもらった電車のおもちゃだと記憶していますが、
近鉄でこのおもちゃを買ってもらってなければ、
こんなに鉄道好きにはなってなかったかも知れません。
今でも息子たちのおもちゃとして大事にしています。
閉店すると聞いた時、特に感傷に浸ることもなく、
へぇそうなんだと受け入れていたつもりでしたが、
今回の記事を拝見していると、何だか無性に淋しくなりました。
確かに階段にこういう照明がありました。
忘れていた光景が写真を見ると次々思い出されてきます。
最近、古き良きものが無性に恋しくなってきたのですが、
自分も歳をとった証拠なのでしょうか・・・
投稿: かずゆき | 2010/10/01 02:31
かずゆきさん。こんばんわ。
思い出の残る百貨店だったのですね。
いろいろな方の記憶に残る建物。こんな建物、最近は少なくなりました。
私はプラッツ近鉄として再出発し、本当の最晩年のわずかな間のお付き合い。改装後、旭屋書店が入って鉄道書がたくさんあったので良く通った記憶があります。
子供のころからずっと見てきて、これからもあり続けると信じて疑わなかったもの(建物・電車に限らず)が次々と無くなっていくのにさびしい限りです。時代の移り変わりを目撃できる証人とは大げさですが、できる限り思いを留めようというように発想を変えなければと言い聞かせています(^-^;
投稿: たけひろ | 2010/10/01 22:16